ここ最近、ありがたいことに撮影依頼をいただくことが増え、相棒のNikon Z9とNikon Z7iiを持って駆け回っているます。そんな中、2022年にNikonより発売された「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」について、気になってきており、購入をしようか検討しています。
決して安くはないカメラレンズを検討するにあたって、既に持っているカメラレンズとの立ち位置や使うシーンなどを想定して検討していこうと思います。
所有するNikonのZレンズ群たちに足りないこと
Nikonが一眼レフカメラとして採用していたFマウントから、ミラーレスカメラのZマウントに移行し始めた丁度その時からコツコツと、個人事業主とし活動を始めて集めたカメラレンズ群がこちら。
- NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
- NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
- NIKON NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
- NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
- NIKKOR Z 40mm f/2
- Z TELECONVERTER TC-2.0x
我ながら、こんなにも買い揃えていたのかのビックリしながらも、どれもtoiro.onlineでもフォトレビューとして使用しているのは勿論ですが、企業様や個人の方まで、多くの撮影依頼を頂戴する中で活躍してくれているNIKKOR Zシリーズのカメラレンズたちです。
焦点距離は、大三元レンズで揃えているため、f/2.8通しで14mm-24mm、24mm-70mm、70mm-200mmまでカバーしており、テレコンのZ TELECONVERTER TC-2.0xを使えば、物理的には24mm-400mをf/2.8-f/5.6と、どのようなシーンでも撮影することができます。
Nikon Z9やZ7iiにもあるDXモードで倍率1.5xと組み合わせれば、NIKON NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR SにZ TELECONVERTER TC-2.0xを組み合わせて、最長600mm、f/5.6相当で撮影する事ができ、買い足すレンズはもう無いんじゃないかと思っていました。

第三元レンズがあるだけで十分だと思っていました。
そんな中、撮影現場に入る経験が増える中で思うことがいくつかでてきました。
機材が重たい。
焦点距離でカバーする範囲が広いため、撮影の要望にもよりますが、複数のレンズを現場に持って行ったりする時の積載重量が肩にのし掛かり、更に長距離となれば負担は増大します。
普段、撮影依頼を頂戴すると、Peak DesignのCAMERA CUBEにカメラレンズやミラーレスカメラ本体を入れて、TRAVEL BACKPACK 45Lで持ち歩いています。
NIKKOR Z 40mm f/2を除いて、全てをTRAVEL BACKPACK 45Lに詰め込むと6.08kgもの鉄の塊を持ち運んでいることになります。また、撮影する際もZ9とZ7iiにはそれぞれのレンズを付けて、ダブルストラップで撮影現場に入ることだってあります。
肩への負担は、年齢関係なく辛いものは辛いので、撮影現場に合わせて機材の選定も行う際、選択肢が豊富にあると良いと思うのは必然的なのかもしれません。
複数台で撮影現場に入る事が増えたから
撮影現場に入る際、バックアップ用にサブ機として複数台を持ち歩く事があります。その際、現在保有するレンズだと、バックアップというよりも、焦点距離を変えて撮影するためのカメラレンズしかなく、使い分けのための運用がメインになってしまいます。
例えばですが、メイン機のNikon Z9にNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sと、サブ機のNikon Z7iiにNIKON NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sを装着した場合、お互いにバックアップとしてのカメラレンズが装着されている訳ではないため、万が一を想定した場合に対応が難しくなります。
こうしたことからも、相互の焦点距離が補える間に位置するようなカメラレンズとしてNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sが候補に上がったということです。

焦点距離はカバーできても、バックアップのためのカメラレンズがないのがネック
「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」と「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」との比較
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 SとNIKON NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sの焦点距離を併せ持つカメラレンズとして、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRがありますが、NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sにフォーカスを当てています。
焦点距離はそれぞれ、最長120mmと200mmと80mmもの差があるため、描写する撮像範囲も変わってきます。
望遠として200mmを必要とするようなシーンとしては、子ども達の運動会や、望遠レンズならではの圧縮効果を活かしたい時、水場から離れた位置から撮影など、目的や用途は様々です。
私は望遠レンズを必要とする際は、望遠でないと撮影できないシーンがある事が事前に分かっている時にのみ持ち出すため、普段から200mm相当の望遠は不要で、むしろ、望遠を必要とする際は200mmが足りなく感じることの方が多いです。そのため、DXクロップで1.5倍にして撮影したり、Z TELECONVERTER TC-2.0xを接続したりして、焦点距離を伸ばす運用をしています。
ただ、Z TELECONVERTER TC-2.0xを接続した場合、NIKON NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sだと、最短焦点距離が70mmから2倍した140mmからになってしまうため、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sを取り付けたカメラで複数台で撮影に入った場合、70mmから140mmの間がカバーできなくなってしまいます。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 SをつけてDXクロップを活用したとしても105mmが最長焦点距離であるため、105mmから140mmがカバーできないことには変わりありません。
この穴埋めをするレンズが「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」と「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」ということです。
では、この2本のレンズを比較した場合、繊細な描写力はNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sの方が良く、絞りもf/4通しと言う事や、Sラインとして、外での撮影において、ゴーストが現れにくいといったコーティングも施されています。
一方、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRは望遠までサポートされていることは勿論で、望遠であるがために手ぶれ補正として機能するためのVRも搭載されています。
ただし、24mmから200mmと幅を持たせたズームレンズであるが故なのか、絞りであるF値については、幅があり、最大f/6.3と高くなってしまっているために、シャッタースピードに影響する部分です。

せめてf/5.6までには収めたい。
遠くの被写体があまり動かない風景などの一部を拡大して撮影するなら良いのですが、望遠レンズは遠くを撮影するだけでなく。圧縮効果を狙った撮影にも用いられます。そうした場合、必ずしも遠くの被写体とは限らないため、動く被写体を撮影するには、F値がネックになる可能性もあり、私の用途としては向かないと思ったところです。
保険としても持っておきたい

カメラマンを生業としている場合は、Nikon公式の「ニコンプロフェッショナルサービス(NPS)」への入会が可能なのですが、私は復業として営んでいる身のため、入会する条件に当てはまりません。

当てはまらない方の方が大多数だと思います。
ただ、やはり高価なカメラレンズを振り回しながら撮影をするとなると、いつ何時に、機材が故障する事だって考えられます。
故障の要因として、外部的な衝突や落下などがあると思いますが、最悪の場合、レンズに傷や破れなどがあると、損害額はとてつもなく大きいため、慎重に扱うほかなりません。
その際、F値を低く設定する事が想定されない撮影現場であれば、多少のF値が確保された安価なカメラレンズでも、現場に挑む事ができます。
F値が低ければ低い程、カメラレンズの価格帯も跳ね上がるため、これも撮影要件との照らし合わせかもしれませんが、高価なカメラレンズが必ず必要でない場合に限っては、リスクヘッジのためにもグレードを落としても問題ないと思います。
携行品損害保険と呼ばれる保険で、月掛300円前後で1事故に対して10万円を限度に保障いただける保険も存在しますが、免責があったり、損害保険の特約だったりと、保障される額が大三元レンズで大きな破損があった場合、賄いきれないこともあり、低価のカメラレンズをメインの運用として使用する方が、トラブルやリスクなどを避けながら良好な関係を築いて、中長期的な関わりをクライアント様とできる方が、結果として良いと思っています。

要望以上に応える事が、良い仕事とは限らないって事です。
事業者であれば経費として計上できる
事業を営むために必要な機材は経費として計上できます。そのため、カメラレンズについても撮影のために、なくてはならない資産にあたるため、10万円以上するNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sは、減価償却の対象として経理処理することができます。
法人であれば、減価償却は任意ということですが、私は個人事業主として一括償却資産の特例や少額減価償却資産の特例など、細かな条件があるので、条件に合致するかについて確認していく必要がありますが、結果として、所得税や固定資産税などの節税効果が得られるため、減価償却のメリットは大きいことからも、利用する価値がありますし、多くの法人も行っているのが実態のようです。
節税を目的としてではなく、事業を営む上で必要だと判断した場合には、少しでも税制部分でサポートがあるという事は、事業を営む身としては助かる制度であることに間違いありません。
【結論】使う頻度や撮影する内容とリスクなどの総合的な判断で必要かどうかを見極める
今回、様々な視点からNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sを導入するかについて、記事を書きながら検討を進めてみました。欲しいという感情だけで導入すると、無駄遣いになりかねないため、これからのキャリアプランなどの外部的要因についても、置かれている環境などを踏まえて検討していく必要がありますが最終的には意志による決断も必要です。
私の場合は、近々での撮影も控えていることもあり、具体的に検討を進めようと思っています。
是非、こうした検討をする中で、必要性などを十分に検討した上で、足りない部分があったりする場合は、時期として適当でない可能性もあるため、目標として設定しても良いので、状況に合わせて判断できていくのが理想だと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます!