Elementorを使ってWEBサイトの制作案件を受注することは可能でしょうか?
ノーコードでWEBサイト制作できるElementorが実際の現場で使えるかについて、現役WEBディレクターである私が実際に使ってみて分かったポイントをレビューします。
Elementorについてご存知てない方はElementorはWordPressでWEBサイトをノーコードで思い通りにデザインすることができるプラグインにてご紹介しています。
- ElementorがWEBサイト制作案件で使える理由
- Elementorで制作するのに向いていないWEBサイト制作案件
- WEBサイト制作を受注前にすべきトラブル回避のための契約書や費用負担について
結論、Elementorは現場で使うことができます。
企業HPやLP、オウンドメディア、MyPageやECサイトなど様々なWEBサイトを構築することができる機能が基本的に備わっていたり、他のプラグインとの互換性があったりと柔軟にWEBサイト制作が行えるため、現役WEBディレクターである私は愛用しているプラグインでもあります。
そんな便利なWEBサイト制作において使いこなすことでElementor本来の機能をビジネスとして役立てるためにも、まずはElementorの特徴を知る必要があります。
そこで、ElementorがWEBサイト制作の現場において使える場面がどのような場合か、また活用するにあたってのポイントについて解説していきます。
結論:【実録】ElementorはWEBサイト制作案件で使えます!
Elemenotrを使ってWEBサイト制作案件を受注することは可能です。
これまでにも私は年間売上約15億円以上の企業から個人の方まで幅広い層より案件を受注しElementorでWEBサイト制作をした実績があります。
それぞれ求められる環境や状況、目的や目標に合わせてWEBサイト制作を行うため、Elementorを使う理由は手段として捉えられているところが大きいです。
また、SEO対策などについてもElementorの機能を保管するようなプラグインを活用することで対策が行えることから、WEBサイト制作案件を受注するのに使えるということです。
実際に案件を受注してElementorを活用した経験より、WEBサイト制作案件として使えると思った理由をご紹介します。
ElementorがWEBサイト制作案件で使える理由
WEBサイトを制作する目的が達成できることが満たされていれば良いから
クライアント視点ではWEBサイトを制作依頼する背景に必ず目的があります。
その目的となる部分にフォーカスをあててWEBサイト制作を行うため、目的が達成できるのであれば作成方法は基本的に問われません。
HTMLやCSSを指定されるクライアントもいらっしゃいますが、WordPressでWebページ制作するうえで必須ではないため、ノーコードでWEBデザインをするElementorで作成する旨について了承を得られれば問題ありません。
寧ろスピーディーに安く納品できるためビジネスにおいては重宝されるはずです。
制作許容範囲をElementorに限定することで無茶振りを回避できるから
WEBサイトを制作の案件を受注した際、制作する目的やイメージについてすり合わせをします。
すり合わせた内容を元にWEBサイトを制作しますが、時に機能を拡張してリッチな仕様にしたいといった要望を追加で受けるケースがあります。
追加でご依頼を頂戴すること自体問題はなく信頼を築いた証でもあるので良いのですが、Elementorの機能を超えた大幅な仕様を要求された場合は、事前にElementorの機能に限定した仕様の範囲とすることで防ぐことができます。
クライアントも編集することができるメリットがあるため
ElementorでWEBサイト制作を進めて行く中で、一部更新を内製化したいと希望するクライアントもいらっしゃいます。
一度納品したWEBサイトについて、その後の保守や管理を一任する場合や一部をクライアントに更新いただけるようにするなど一定のボーダーラインを取り決めておけば、クライアント自らがElementorを使って編集することができます。
Elementorの機能自体に制限を設けることができないのでが制作側としては不本意な編集によるトラブルに繋がらないか心配する部分ですが、一方でクライアントとしては自由度が高く編集が行えるメリットがあります。
Elementorの操作に迷った際は、toiro.onlineで発信している情報を参考いただくのも良いですし、お問い合わせいただけましたらご協力することも可能ですので積極的にElementorを活用いただきたいです。
Elementorは海外では最も有名なページビルダープラグインでありサポートも充実している
ElementorはWordPressでWEBサイトをノーコードで思い通りにデザインすることができるプラグインでもご紹介しましたが、Elementorは世界のWordPressプラグインシェア率でも2022年度では2位、ページビルダーとしては1位と注目されるプラグインです。
これだけ世界的にも使われているプラグインだからこそサポートも充実しており、プラグイン自体のアップデートも頻繁に行われています。
WordPress自体のバージョンアップが行われた数日後には最新版がリリースされるなど、プラグインとして信頼を得るための努力が対話見れます。
Elementorで制作するのに向いていないWEBサイトとは
セキュリティが強固であることが求められる制作案件は慎重に
WordPress自体がブラックボックス化しやすいCMSであり世界シェア率が高いこともあることから、セキュリティの脆弱性が見つかりやすいという課題を常に抱えています。
WordPressはこうしたセキュリティーホールを守るために不定期的にバージョンアップのご案内が行われるのですが、それに伴ってプラグインを提供している側もWordPressのバージョンに合わせた調整が必要であり、後発的にバージョンアップを行っていきます。
Elementorもその限りではなくWordPressのバージョンアップが図られると、プラグインのバージョンアップのご案内があり、メンテナンスをするためのモニタリングが必要不可欠になります。
バージョンアップ自体は良い事ですが慎重に行う必要があります。
外部要因によ左右されないセキュリティーを確保することが求められている制作案件では控えておくことをオススメします。
基幹システムと双方向の通信を必要とするWEBサイトの制作
WEBアプリケーションとは、WEBサイトとは異なり多機能で、コメントやデータ加工や動画視聴、ECサイトのような商品購入、銀行のようなお金の振込みなどをインタラクティブ(双方向)でデータ通信を行うことができるWEBサイトを指します。
Elementor Proや拡張プラグインを駆使することで、ECサイトや予約サイトのようなWEBアプリケーションとして機能するWEBサイトを制作することは可能です。
プラグイン名 | 用途 |
---|---|
WooCommerce | 世界で最も有名なECサイトを構築するためのプラグイン |
crocoblockのJetBooking | 予約およびレンタルWebサイトを制作するためのプラグイン |
ただし、既存の顧客情報等が管理されている基幹システムとの通信を行いながら動作するようなWEBサイトをElementorで作成する場合は基幹システム側の調整も必要になるため至難の業です。
基幹システムと連動して機能するページ以外をElementorで制作するといった分業で案件受注することをオススメします。
基幹システムとの双方向での接続についてはElementor Proや拡張プラグインを用いてもできないことがほとんどです。
WEBサイト制作案件を受注するにあたっての4つのポイント
ここからは、ElementorでWEB制作案件を受注するにあたって抑えておくべきポイントを解説します。
ポイント1:NDA(秘密保持契約)を必ず結ぶ
当然ですが、WEBサイトの制作案件を受注するにあたり非公開情報や機密情報を取り扱うことがほとんどです。
依頼者より必要情報を受けるためや制作側からの提供資料など、相互に利用範囲を守るためにも締結は必ずしておきましょう。
ポイント2:業務委託契約書に特定の範囲であることを明記する
請負契約書や委任契約書など呼称はいくつかのパターンがありますが、WEBサイト制作案件を受注するにあたって、発注者より業務の一部を請け負うことになるため、完成責任や瑕疵担保責任など、受注するにあたっての双方向の責任所在を明確にする必要があります。
Elementorの機能を使ったWEBサイト制作案件とする場合、特定のプラグインに限定した制作として受注する旨を記載することで、複雑な案件やプラグイン自体に起因するトラブルにより、受託者自らがどうにもできない事象が発生した場合などに、その他手法による対処を検討することを余儀なく責め立てられることを事前に回避します。
当然、限定した範囲に留めることで可能性を狭めることにもなりデメリットとして受け止められる可能性もありますが、Elementorでできることやメリットをしっかりと受注する際に依頼者へ説明することができれば問題ありません。
ポイント3:保守契約書にて対応範囲を明確にする
WordPressでWEBサイトを構築した場合、不定期的にバージョンアップが行われたり、プラグインの設定変更を求められたりします。
バックアップやサーバーメンテナンスに加えタグの設置など、WEBサイトが完成してリリースした後の次のステップとなる施策に応じて適時メンテナンスを行う必要があるのですが、それらWEBサイトに関わるメンテナンス範囲を保守契約書にて明確に示すことで相互にとって安心して運用できる関係を築く必要があります。
仮にWEBサイト納品後、一部ページのメンテナンスについては依頼者側で作業を行うといった場合は、作業範囲や機能制限などで取り決めておくべきです。
複数人による作業を想定した設計になっているプラグインであれば、機能制限をかけることができますが、Elementorにはアカウント別による機能が備わっていません。
バックアップやWordPressへのアクセスアカウントを適切に管理したうえで操作ログをとっておくなどして、相互でメンテナンスを行う場合は作業日時や操作範囲を調整してメンテナンスすることをおすすめします。
ポイント4:有料版Elementor Proを利用する場合の費用負担の取り決め
Elementor Proは年間契約の有料版です。
Elementor Proにすることで豊富なウィジェットや詳細設定が行えるようになるだけでなく、WEBサイト全体設計を行うのに欠かせないプラグインでもあります。
年間での利用コストを負担して受注時やメンテナンスで回収する方法もあれば、依頼者にライセンス契約をいただき共有いただくパターンもあります。
WEBサイト制作の受託者が年間利用料を負担する
複数のWEBサイト制作案件を抱える場合や、プラグインのライセンス管理含めメンテナンス業務について一任されている場合は、年間コストを受託者が支払うパターンの方が依頼者にとってもメリットがあります。
年間の利用コストを複数社より分散して受注費として盛り込むことで、依頼者側の負担を軽減できる他、メンテナンス権利を確保することがライセンスによって結びつけることができます。
保守契約が終了した後に、他の事業者や受託者がElementorのメンテナンスをする場合、Elementor Proで編集が行われた場合はElementor Proのライセンスを必要とします。
その際、年間利用料が割高になっていたりすると、依頼者側にとってもデメリットになるため、長期的なお付き合いでできる可能性が高いということです。
WEBサイト制作の依頼者が年間利用料を負担する
一方、依頼者にElementor Proの利用料を負担いただくケースもあります。
既に複数の制作会社とのお付き合いがありライセンスを保持している場合や、保守メンテの継続的な契約をしない想定をしている場合など、ライセンス管理を依頼者自らが管理される場合などです。
依頼者側で年間利用コストを負担いただく場合は、ライセンスを共有いただくためにもNDAはしっかりと結んでから作業に取り掛かるようにしましょう。
受注案件が少ない間は依頼者に負担頂く方がオススメです
依頼者から受託者へ年間利用料の負担先を変える
複数社からのElementorによるWEBサイト制作案件が増えてきて保守メンテで継続的なお付き合いがある場合は、Elementor Proやそのた有料プラグインを利用している場合などは、年間利用料の負担を受け持つ提案が有効になるケースがあります。
プラグインによっては、第三者提供を良しとするのかについて確認する必要がありますが、Elementorについてはライセンス自体を受け渡すのではなく、WEBサイト数としてカウントに含まれるだけであるため規約違反とはなりません。
依頼者にとって年間利用料が抑えられるメリットがあるため有効な手段です
依頼者が契約したライセンスを継承するのではなく、新たにライセンス契約をした後、Elementor Proが利用できるようにアカウント設定するようにしてください。
まとめ:ElementorはWEBサイト制作案件で使える
Elementorを使ってWEBサイト制作案件を受注することや受注にあたってのポイントについて解説しました。
実際にはWEBサイト制作において大切な事は制作できることだけではないため、様々な視点での提案や戦略に基づいた設計が必要になるため、Elementorだけでのスキルだと足りないのですが、WEBサイト制作にあたって限定したプラグインを利用範囲として請け負ういう意味では有効であることがお分かりいただけたかと思います。
Elementorを中心にHTMLやCSS、JSといったコーディングスキル磨きのための時間を削減できる分、その他WEBサイト制作におけるスキルを磨きに時間を費やしていただければと思います。
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