DJI Osmo Pocket3が発表された際、具体的に利用シーンを想定して合わせて購入の検討にした製品があります。DJI Osmo Poket3の特徴として、やはり大きい要素として「手ぶれ補正」ですが、DJI Osmo Pocket3は物理的な手ぶれ補正を主とした製品です。一方で、手ぶれ補正のある他製品としてアクションカメラがあり、同じくDJIからもアクションカメラとしてDJI Osmo Action 4が発売されています。DJI Osmo Action 4も電子手振れ補正として優秀ということもあり、Go Proとの比較をする方も多かったと思います。
以上のように、DJI Osmo Action 4とDJI Osmo Pocket3との比較をして、DJI Osmo Pocket3を購入することに至ったのかについてポイントを絞ってみたので、検討されている方の参考になればと思います。
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比較するDJIのカメラ
DJI Osmo Pocket3
安定して水平を保ちながら滑らかな映像を撮影することができるカメラ
DJI Osmo Pocket3の主な特徴
- 3軸ジンバル(物理ジンバル)による手ぶれ補正
- 1インチセンサー搭載
- フェイストラッキングや背景ボケ
- 優れた暗所性能
DJI Osmo Action4
高い防水性を兼ね備えたアクションカメラとしてタフに使えるカメラ
DJI Osmo Action4の主な特徴
- デュアルタッチスクリーン
- 電子手ぶれ補正
- 高い防水性
- 高性能バッテリー(長時間・耐寒)
- マグネットクイックリリースシステム
OSMO Pocket3 と OSMO Action4 の比較表
OSMO Pocket3 と OSMO Action4 を簡単な比較表を用いて確認してみます。
DJI OSMO Pocket3 | DJI OSMO Action4 | ||
---|---|---|---|
発売時期 | 2023年10月 | 2023年8月 | |
タイプ | ジンバルカメラ | アクションカメラ | |
デザイン | 本体重量 | 179g | 145g |
本体サイズ | 139.7 × 42.2 × 33.5 mm | 70.5 × 44.2 × 32.8 mm | |
スクリーンサイズ | 2インチ | 前面:1.4インチ 背面:2.25インチ | |
ストレージ | 〜最大512GB | 〜最大512GB | |
バッテリー容量 | 1300mAh | 1770mAh | |
撮影時間|設定 | 最長166分|1080p@24fps | 最大160分|1080p@24fps | |
予備バッテリー | 対応 | 対応 | |
急速充電 | 対応 | 対応 | |
マグネットクイックリリース | - | 対応 | |
防水性能 | なし | 18メートル防水 | |
動作温度 | 0℃ ~ 40℃ | -20℃ ~ 45℃ | |
映像・音声 | センサーサイズ | 1 | 1/1.3 |
レンズ | f2.0 | f2.8 | |
ISO | 100-6400 | 100-12800 | |
解像度@最大フレームレート | 4K@120fps | 4K@120fps | |
最大ビットレート | 130Mbps | 130Mbps | |
画角|35mm換算 | 広角|15mm※ 標準|20mm ※広角レンズ使用時 | 超広角|11mm 広角|12mm 標準|15mm | |
オートフォーカス | ActiveTrack 6.0 | なし | |
背景ボケ | あり | なし | |
低照度撮影モード | あり | なし | |
暗所性能 | 良好 | 普通 | |
カラー | 標準 D-Log M HLG | ノーマル D-Log M | |
10bitカラー | 対応 | 対応 | |
手ブレ補正 | 3軸ジンバル補正 | 無効 RockSteady 3.0 RockSteady 3.0+ HorizonBalancing HorizonSteady | |
マイク数 | 3 | 3 | |
ワイヤレスマイク | 対応 | 対応 | |
価格 | 本体のみ | 74,800円 | 58,300円 |
コンボ | 96,800円 | 95,900円 | |
保険 | 1年4,730円 2年7,700円 | 1年3,520円 2年5,280円 |
外観となるデザインとスペックにあたる映像・音声に加え、販売価格を大項目として表を作成しました。マーカーを引いている部分は、それぞれにしかないポイントであり、特徴と言える部分です。
画質
まずは、綺麗な映像を撮影することが目的であるため、画素数に注目しました。
有効画素数はDJI OSMO Pocket3の方が多い
DJI OSMO Pocket3は静止画で3,840×2,160(16:9)と3,072×3,072(1:1)が撮影できることから、有効画素数は3,840×3,072(5:4)持っていますが、DJI OSMO Action4は3648×2736のみであるため、DJI OSMO Pocket3の方が、有効画素数が多いと言えます。
ISO感度はDJI OSMO Action4の方が2倍強いが、暗所撮影ではノイズや手振れも考慮すべき
ISO感度とはデジタルカメラが光をとらえる能力を表す値ですが、値が高いほど光をとらえる能力が高く、暗い場所でも明るく撮影することができます。そのISO感度については、DJI OSMO Action4の方が、ISO12800に対して、DJI OSMO Pocket3はISO6400と2倍の差があり、DJI OSMO Action4の方が暗闇に強いと言えます。
とは言え、ISOを高く設定できたとしても、ISOを高くすることで、ザラついたかのようなノイズが入りやすくなるため、適度なISO感度があれば必要十分です。暗い場所での撮影は、ノイズ以外にも安定した手振れを抑えた撮影も求められるため、暗い場所での綺麗な映像を撮影するとなった場合、必ずしもISOだけでは判断できない部分があるため、数値だけの性能判断となります。
DJI OSMO Pocket3はセンサーサイズを1インチにしたことでボケ感が得られます!
DJI OSMO Pocket3には1インチの、コンパクトデジタルカメラにも搭載されているイメージセンサーが搭載されています。1インチは13.2 x 8.8mmですが、DJI OSMO Action4のイメージセンサーは1/1.3(10.1 x 6.7mm)であることから、数mmの差があります。
DJI OSMO Pocket3で1インチのイメージセンサーを搭載したことで、これまで同類の小型形状で設計されたアクションカメラやジンバルでは撮影することのできなかったボケ感を作り出すことができるようになり、一眼レフやミラーレスカメラで撮影したかのような味のある映像を撮影することができます。
広角での撮影をメインとした場合は、隅々までハッキリとした映像が好まれたり、映像美として求められますが、DJI OSMO Pocket3も広角で撮影できるだけでなく、物などを近づけたりして強調する際などは、ボケなどがあると際立つ映像になるため、手軽に持ち運びできる中でも多様なシーンに対応できるようになったのは嬉しいポイントです。
一方、DJI OSMO Action4の場合は、物を近づけたとしても、均一なピントで全体的にハッキリとした映像が撮影できるため、常に周囲の状況など含めた映像を求める場合は、余計なボケなどで、雰囲気が伝わらない映像とはならないメリットがあります。その他、ピント調整を行う事により画角が変動する心配もないため、安定した画角での映像を撮ることができ、わちゃわちゃしない点においてもメリットがあります。
どのような映像を撮影したいかによって、イメージセンサーサイズによる恩恵があるか無いかがあ判断基準になる部分でもあると言えます。
f/2.0のレンズを採用したDJI OSMO Pocket3は物理的に明るく撮影することが可能
DJI OSMO Pocket3のレンズはf/2.0の開放で撮影することができるようになっています。そのため、DJI OSMO Action4はf/2.8と比べると、暗所での撮影においては、物理的にf/2.0の方が明るく撮影できるため、ISO感度による撮像素子による電気信号に変えるようなデジタル処理ではない明るさをとらえることができます。
DJI OSMO Pocket3は物理的に明るくするための設計が施されている一方で、DJI OSMO Action4はコンパクト設計でありながら明るく撮影するための技術が詰め込まれているといった切り分けになりそうです。
画面の歪みと画角
DJI OSMO Action4の11mm超広角レンズは魅力的だけど映像の歪みは発生する
広角での撮影をする場合、四隅の映像が引き伸ばされたかのように映像が歪んで見える現象が発生するのですが、DJI OSMO Pocket3はその歪みがほとんど見られません。むしろDJI OSMO Action4は画角が11mmと超広角での撮影も可能であるため、直線の物があった場合には歪んでしまいます。水平、垂直を補正で修正することもできるので、大きな影響は無いかもしれませんが、その歪みもやはりデジタル加工処理によって補正された映像となります。
DJI OSMO Pocket3にとって15mmは広角だけどDJI OSMO Action4は標準の画角
同じDJIの製品ではあるものの、15mmの画角はDJI OSMO Pocket3だと広角の扱いですが、DJI OSMO Action4は標準の画角とされています。DJI OSMO Action4は15mmの画角以外にも、12mmの広角や11mmの超広角へと切り替えることができるため、広角での撮影でダイナミックに撮影したい場合は、DJI OSMO Action4の方がオススメです。なお、DJI OSMO Pocket3の場合は、広角レンズを装着した場合に限って15mmの画角が得られるため、広角レンズを装着しない場合は20mmと画角が狭まります。自撮りなどの場合は、持ち方によっては画角からはみ出てしまったりすることもあり得るため、DJI OSMO Action4の超広角11mmは魅力でもあると言えます。
手振れ補正
DJI OSMO Pocket3はジンバル機能が備わっていて物理的に電子制御によって手振れを緩和しているのに対し、DJI OSMO Action4はデジタル処理によって手振れを緩和しています。何もデジタル処理による手振れを緩和するための設定があるため、ジンバル機能があるDJI OSMO Pocket3の方が、より安定した撮影ができるということになります。
一方で、DJI OSMO Action4には、360° HorizonSteadyと呼ばれる機能があり、単なるブレ補正機能とは異なるアクションカメラならではのフリップ、ツイスト、ターンといった激しい動きでによって傾いてたとしても、最大±45ºの範囲で水平方向へと補正し続けた映像を撮影しることができます。
手振れに関しては、補正方法はそれぞれに特徴がありますが、いずれにおいてもブレ補正については優秀と言えます。
主役をロックオンした追従
ロックオンにより主役が動いたり、撮影者が動いたとしても、常に画面内で画角に収まるように追従し続ける機能が備わっているのがDJI OSMO Pocket3です。ジンバル機能であるからこそできる撮影方法であり、オートフォーカス機能であるActiveTrack 6.0が追従を可能としています。
一方、DJI OSMO Action4は、カメラ部分が本体と一体になって、独立して動く設計になっていないがために追従をしません。そのため、主役を画角に収めるためには、DJI OSMO Action4本体を常に、被写体に対して向ける必要があり、追従するには同調した動きなどが求められることなります。
以上から、DJI OSMO Pocket3は被写体となる主役を主体とした撮影を得意とするカメラでもあると言え、DJI OSMO Action4は撮影者視点での撮影に特化しているとカメラとなっています。
サイズ
形状
DJI OSMO Pocket3はスティック状に対し、DJI OSMO Action4はブロックのような長方形の形状をしています。性能に関して似て似つかないような2つの製品ですが、明らかに異なるのがこの形状で、撮影するシーンやスタイルが異なる想定をしているがために、大きな違いとして製品化されていると思われます。
撮影スタイル
DJI OSMO Pocket3は基本的に手持ちでの撮影を想定しているため、グリップ部分が設けられています。一方、DJI OSMO Action4は手持ちというよりも、様々なマウントを活用して、固定した撮影を想定しています。そのため、DJI OSMO Pocket3は動き回った撮影ができるのに対し、DJI OSMO Action4はマウントによって固定した撮影となるため、取り回しにおいては、DJI OSMO Pocket3の方がしやすいです。DJI OSMO Action4も、自撮り棒を活用することで、動き回った撮影をすることもできるので、大きな違いは無いかもしれませんが、単体での運用を考えると、DJI OSMO Pocket3の方が、グリップがあるため撮影しやすいです。
価格
DJI OSMO Pocket3やDJI OSMO Action4それぞれに、様々なマウントなどが付属したコンボのセットがあるのですが、単体でも販売されています。単体だけで見るとDJI OSMO Pocket3は74,800円でDJI OSMO Action4は58,300円です。発売日は2ヶ月程しかずれていないため、市場の価格変動などはあまり影響はないものと考えると、DJI OSMO Pocket3の方が高めです。
スペック一覧からも読み取れる部分として、バッテリー容量や、防水性能、動作温度など、本体重量などではDJI OSMO Action4の方が数値としては上回っているので、持ち出しで撮影できる用途と幅が広そうに見えるため、価格なども相対として高くなると思いきや、イメージセンサーサイズやジンバルによる追従のトラッキングなどの物理的部分の機能面で有利な要素が多いDJI OSMO Pocket3の方が高くなっています。
逆で言えば、DJI OSMO Action4はアクションカメラであるため、多少ハードな使い方でも使えるタフなカメラとしてはリーズナブルなようにも伺えるのではないでしょうか。
拡張性
DJI OSMO Pocket3やDJI OSMO Action4も拡張においては同一です。どちらもマウントアダプターを使用することで、様々なアクセサリーを装着することができるため、互換性としては両方に対応できることもあり、拡張性としてはどちらかが優れているとは言い難いと思います。
あえて言うならば、DJI OSMO Action4はアクションカメラとして、防水やハードな動きにも使えるため、DJI OSMO Action4などのアクションカメラ用として展開しているアクセサリーが多いです。DJI OSMO Pocket3についても、アクションカメラ用として展開されているアクセサリーを使用することはできたとしても、やはり場面によっては適さないなどある可能性もあり、必ずしも装着できるからといって、使えるかは別になる可能性があるので、拡張性においては、DJI OSMO Action4の方が実際に使えるアクセサリーが豊富と言えると思います。
DJI Care Refresh保険
DJI製品向けの保証プランとして故障や経年劣化などをカバーするためのサービスがあります。画面割れや水没、ヒビや変形による外傷や経年劣化などもカバーした保証で、新品または性能や信頼性において新品同等の製品と有償で交換することができます。
また、公式の保証プランであることもあり、主用部品なども保証対象として製品自体を長く安心して使用することができます。
そのほか、テクニカルサポートが必要な場合は、優先対応してもらえたり、世界各地の任意のDJI公式しゅうりセンターで交換サービスや通常修理サービスを受けられるなど、充実しているため、基本的に持ち出して使用するカメラであることからも、保証を付けていておいた方が無難なサービスです。
1年版、2年版とありますが、保証内容の違いとしてリフレッシュできる期間と回数に違いがあります。長く使う想定であれば、2年がオススメですよ!
DJI Care Refresh | 1年版 | 2年版 |
---|---|---|
サービス有効期間 | 1年 | 2年 |
リフレッシュ交換回数 | 2回 | 4回 |
DJI公式保証プラン | 1年 | 2年 |
更新 | 対応 | 対応 |
まとめ
DJI OSMO Pocket3とDJI OSMO Action4の特徴に触れながらポイント別に利用シーンなどを想定した形で解説しました。
DJI OSMO Pocket3は主軸を際立たせる撮影に向いているのに対し、DJI OSMO Action4は一人称視点による定点カメラとしての利用が多いと思います。それぞれのカメラの特徴を知った上で、撮影できれば、自ずとどちらもシーンに合わせて使い分けができると思うのですが、どちらかを選択して購入を検討されている方は、どのような撮影スタイルが適当なのか検討した上で、選択されることをオススメします!
カメラ本体だけでももちろん購入可能ですが、外部マイクも大幅に進化しているため、映像を際立たせるための音声は不可欠です。そのため、音声の収録もしっかりできるため、マイクが含まれたコンボを私はオススメです!